韓国映画『パラサイト半地下の家族』が、アカデミー賞の作品賞を受賞しました!!
英語ではない、しかもアジアの映画が、アカデミー賞の作品賞を受賞するとは快挙ですね。
もくじ
映画『パラサイト半地下の家族』アカデミー賞作品賞受賞
[映画.com ニュース]第92回アカデミー賞の授賞式が2月9日(現地時間)、米ハリウッドのドルビー・シアターで開催され、ポン・ジュノ監督が手がけた韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が作品賞を受賞した。アジア映画として、初めての快挙となる。製作のクァク・シネは、「言葉が出ません……こんなことが起こるなんて信じれらません……とても幸せです。歴史上で、とても時宜を得た瞬間を目の当たりにしていると感じています。この決断をしてくださったアカデミー会員のみなさまを尊敬するとともに、心から感謝いたします」と感無量の面持ちでスピーチ。照明が落とされた後も、引き続きオーディエンスへのスピーチのために「明かりを付けて!」と客席から声が上がり、感動に包まれたクロージングとなった。
昨年の第72回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に選出され、韓国映画として初めて最高賞にあたるパルムドールを獲得した同作。第77回ゴールデングローブ賞では最優秀外国語映画賞のみの受賞となったが、第54回全米批評家協会賞では作品賞と脚本賞の2冠を達成した。
賞レースの前哨戦として重要視される第70回ACEエディ賞でも長編映画ドラマ部門に輝いた。外国語映画が同賞に輝くのは、70年目で初めてのこと。その後も、外国語映画としては史上初めて全米俳優組合賞の映画部門で作品賞にあたるキャスト賞を受賞するなど、数々の金字塔を打ち立ててきた。
ポン監督が、主演のソン・ガンホと4度目のタッグを組んだ今作。“半地下”住宅で暮らす全員失業中のキム一家の長男が、IT企業を経営する超裕福なパク一家の家庭教師になったことから、想像を遥かに超える悲喜劇が展開されていく。これまでに世界各国160以上の映画賞を受賞しているが、アカデミー賞作品賞を戴冠したことでアジア映画史にとっても新たな局面を迎えたことになる。
- 韓国映画初
- アジア映画初
- 外国語映画初
- 作品賞と国際長編映画賞の同時受賞初
- 作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞と4冠!
映画『パラサイト半地下の家族』ネタバレあらすじ
キム一家の寄生(パラサイト)開始
物語の主役となるのは、家族全員が失業中の貧しい四人家族。
父(ギテク)
母(チュンスク)
息子(ギウ)
娘(ギジョン)
長男のギウは、とある日に友人のミニョクから家庭教師のアルバイトを紹介される。
ミニョクが家庭教師をしている富裕層の家庭へ、自分が語学留学へ行っている間に代わりに家庭教師をやって欲しいという。
浪人中ではあるが、美大を目指す妹のギジョンに有名大学の入学証書を偽造してもらい、家庭教師のアルバイトをすることになる。
ギウが家庭教師をすることになった家は、会社を経営するパク社長のファミリー。この大豪邸はもともと有名建築家が建て、住んでいた邸宅に住んでいる。
うまく高校二年生のダヘに好かれ、家庭教師として採用されることになる。
ダヘの弟であるダソンの美術の家庭教師にと、妹のギジョンを知り合いの有名美大生だと紹介して同じく家庭教師として雇われることになります。
ダソンは、何かトラウマを抱えているようで、ギジョンがネットで調べた絵画療法を行うことになります。
パク家には、前のオーナーが住んでいた時から勤めている家政婦、主人であるドンイクの運転手もいた。
とある日、ギジョンの帰り際にドンイクが帰宅してくる。夜も遅いからと、運転手に送らせると送迎してもらうことになります。
家まで送ると言う運転手に対して、駅までで良いと答えます。
しかし、夜も遅いし・・・と食い下がってくる運転手に対して、何かを思いついたように配していた下着を脱ぎます。
後日、その下着が座席の下に落ちているのを主人であるドンイクに発見され、運転手は首になってしまいます。
その話を聞いたギジョンは、知人にベテランの運転手がいると父親のギテクを紹介することになります。
その流れで、家政婦もクビにさせて母親のチュンスクが雇われるように仕組みます。
作戦は無事に功を奏して、無職だった四人はお金持ちの家族で、それぞれ他人として仕事を得ること(寄生:パラサイト)に成功し喜びを分かち合います。
豪邸の秘密
とある日、パク家族はみんなでキャンプへと出かけることになります。
ここぞとばかりに、留守中の大豪邸を満喫する寄生しているキムファミリー。庭でのんびり寝転がったり、お風呂でテレビを楽しんだりと存分に留守の家を楽しみます。
外では雨が降り始める中、広いリビングで家にあるお酒を飲みはじめます。
みんなで家族の様子を話しはじめ、酔いも回りはじめた頃に家のチャイムが鳴ります。
こんな時間に一体、誰だろう・・・?
インターホンのカメラには、クビになった前の家政婦が映っています。
恐る恐る、新しい家政婦の母親チュンスクが用件を尋ねます。
すると、地下室に忘れ物を下から取りに来たと言う前の家政婦。
忘れ物を取ったら、すぐに帰ると言うのでドアを開けると地下室へと降りて行きます。
しかし、いつまで経っても戻ってこない家政婦。様子を見に、チュンスクが地下室へ降りてみると、奥の戸棚を押してズラそうとしています。
バーベーキュー用の網が引っかかっており、戸棚が開かなくなっておりチュンソクが手伝って動かすことができました。
すると、戸棚の奥にはさらに地下へと続く隠し扉が隠れていました。
下へと降りてみると、一人の男が腹を空かせて待っていました。
前の家政婦曰く、元の建築家オーナーがこの家を建てた際に作ってあった防災用のシェルターとのこと。
建築家は、それを売る際に教えていなかったよう。
そのため、前の家政婦は建築家が売りに出し、次の買い手が見つかるまでの間に自分の夫をそこに住ませていたのです。
時折、地上に上がってきては、パク家の食べ物を盗み食いしていました。
しかし、妻がクビになり、戸棚が引っかかって開かなくなっていたために、夫は何日も食事を取れずにお腹を空かせていたのです。
チュンスクに、1週間に一度でいいから食事を与えて欲しいとお願いします。
しかし、懇願する前の家政婦を前に、チュンスクは警察に通報すると言います。
そこへ様子を見にきた、ギテクたちが足を滑らせて階段から落ちてきてしまいます。
その様子をスマホのカメラで撮影し、今度は逆に脅迫し始める前の家政婦の夫婦たち。
主人に家族だとバラすと脅され、身動きが取れなくなったキム一家。一瞬の隙をついて、スマホを奪いますがそこでチュンスクの電話がなります。
なんとパク一家が大雨のため、キャンプから泣く泣く帰ってくるという電話でした。
あと10分で到着するといい、着くまでに夜食を作っておいて欲しいと頼まれます。キム一家は慌てて前の家政婦夫婦を二人とも地下へ隠し、自分たちが散らかした片付けをします。
なんとか片付けが間に合い、キム家族はそれぞれ隠れて身を潜めます。
父・ギテクは地下室で、ムングァンとグンセ(前の家政婦夫婦)が声を出さないように口を縛ります。
ムングァンの口を縛っているときに、グンセ(前家政婦の夫)は、地下室から階段の照明を着けたり消したりできるといいます。
パク社長を今では尊敬しているといい、毎日帰宅時には階段の電気をパク社長の歩くタイミングに合わせてつけているのだといいます。
モールス信号で、合図を送ることもできるといいます。末っ子のダソンはカブスカウトに通っているため、きっと通じるはずだと。
不意をつき口が縛られたまま、家の主人に伝えようと階段を上がってきた前の家政婦ムングァンを、チュンソクがギリギリのところで足音に気付き、上がってくるところを蹴り落とします。
階段を転げ落ちて、頭を強く打った前の家政婦。
まだかろうじて息はあるものの、頭から出血していました。
夜食を作り、チュンソクがヨンギョ(パク・ドンイクの妻)と話しています。
ダソンは、昔家の台所でお化けを見たと言うのです。地下室から知らない男のお化けを見て、引付を起こして倒れてしまったといいます。
夜食を食べ終わると、ヨンギョはダソンの様子を見に行きます。
身を潜めているときに、ダソンを見守るパク夫婦の話が聞こえてきます。
ギテクは、運転手としてはとても良いのだが、臭いが気になると話します。なにか、地下鉄とかの臭い何すると言うパク社長。
それを聞いて、ショックを受けたように臭いを気にするギテク。
スキを見て、大雨の中キム一家はチュンソクを残して自宅へと逃げ帰ります。
ダソンの誕生日パーティー
大雨の中、自宅へ帰るとキム一家が住んでいる地域は冠水しています。
下水の水が逆流し、半地下である家は完全に水に浸かっていました。キム一家は必要なものだけを持ち出し、地域の体育館へ避難します。
前の家政婦夫婦のことが気になりつつも、自宅の浸水で避難して体育館で寝ることになり疲れもピークです。
不安なまま、一晩を明かします。
すると翌日、ギジョン、ギウはパク家の末っ子ダソンの誕生日パーティーへと招待されます。
かたや、雨で下水が逆流してきた一家に対して、誕生日パーティーにくる面々はセレブな人たちばかり。
誕生日パーティーに参加するも、自分たちが場違いなのではないかと不安になります。
ギウは何かを決意したように、地下室へと足を運びます。
幸せを運ぶと言うミニョクからもらった山水景石という岩を手にして。
地下室へ降りると、動かなくなっている前の家政婦を発見します。
大丈夫ですか・・・?
と声をかけると、後ろからロープで首を括られて引っ張られます。
暴れて必死に逃げ出そうと走りますが、地下室を出たところでロープが引っかかって倒れてしまいます。
ロープを取ろうとしようとしたところに、山水景石を持った前の家政婦の夫がやってきて岩を叩きつけます。
頭から大量の血を流して倒れるギウ。
そのまま、台所の包丁を持ってパーティーの現場へと歩き出すグンセ(家政婦の夫)。
ダソンのお祝いをしている中、グンセはギジョンを包丁で刺します。
血塗れのグンセを見て、ダソンは昔見た男のお化けのトラウマを思い出して倒れてしまいます。
ギジョンが刺されたのみて、慌ててチュンスクとギテクが助けに行きます。
そこでドンイクは、ダソンを運ぶためにギテクに車の鍵を渡すようにと叫びます。
ギテクが車の鍵を投げるも、ギジョンを助けに行ったチュンソクとグンセの取っ組み合いにぶつかってしまいます。
一瞬の隙をついて、チュンソクがバーベキューの串をグンセのお腹に一刺し。
倒れ込むグンセの体の下に、車の鍵が落ちてしまいます。
ドンイクが恐々ながら、グンセの体の下に落ちた鍵を取ろうとします。
その瞬間に、ずっと地下にいたグンセの強烈な匂いに顔をしかめるドンイクを見て、ギテクは歩き出します。
パニックの中でドンイクを掴み、首元を刺します。
そのまま、家から走って逃げ出します。
ギテクの行方
ギウはなんとか一命を取り留めていました。
しかし、脳の手術をしたことから感情のコントロールがうまくできなくなっていました。
身分を偽装していたり、不法侵入した罪に問われましたが、執行猶予を言い渡されていました。
ギジョンはグンセに刺されたことで、命を落としていました。
ギテクは殺人犯として指名手配されているものの、その後の行方は不明でした。
警察は、ギウ尾行をしてギテクの後を追っていましたが、ギウやチュンソクも行方を知らず、結局は手がかりを得られないままでした。
そんな警察の尾行も落ち着いてきた頃、ギウは雪山を登っていました。
ギウが双眼鏡で覗く先には、あの豪邸がありました。
今となっては、ドイツ人が事件のことを知らずに購入して住んでいます。
何も知らずに、幸せそうに暮らしている様子を覗きながら、照明が点滅していることに気づきます。
それは、紛れもなくモールス信号でした。
父、ギテクは地下室に隠れて生き延びていたのです。
モールス信号を解読すると、父からギウへのメッセージが送られていたことに気づきます。
事件後、ここに逃げ込むしか道はなかった。
ここでなんとか生きていると。
そして、ギウはそれをみて、自分の力でお金を稼いであの家を購入し、父と一緒に暮らすことを誓います。
映画『パラサイト半地下の家族』見た感想
個人的な感想としては、ストーリーはとても面白かったです。
展開もテンポ良く、先が読めないリズムでどんどん物語が進んでいくのであっという間の2時間でした。
韓国の現代の格差社会を描いた今作、富裕層と貧困層の二極化が進んでいるというのは日本でも同様なので、とても興味深かったですね。
しかし、最後の結末に関しては、なんだかモヤモヤする結末・終わり方だなというのが率直な感想でした。
キム一家の父・ギテクは臭いに関して不満を感じられていたことを知り、最後にグンセに対して臭そうな顔をしたドンイクを見て刺してしまいます。
そこで、なんで???と思いました。
理不尽な社会や、自分の娘が刺されて処置をしている時にも関わらず、車の鍵を要求されたことに対して不満を感じたのかもしれません。
そして、ギウは裁判で執行猶予を受けるものの、最終的には父親ギテクは何の罰も受けておらず、豪邸の地下に隠れ住んでいると言うオチも貧困層の一家だから、最終的には許されるという結末になってしまっているようで府に落ちませんでした。
パク一家は、特別悪いことをしていないのにも関わらず、一家の主人であるドンイクは刺されて命を落としてしまいます。
何とも不幸な一家ですね。。。
残酷かつ、勧善懲悪ではないストーリーが確かに斬新で、飽きさせない映画だと思います。
しかし、結局は自分たちさえ良ければ良いと言う、ちょっと韓国っぽい映画だなと言う感想と共に、アカデミー賞の作品賞か・・・という残念さも感じてしまいました。
映画『パラサイト 半地下の家族』映画情報
映画『パラサイト半地下の家族』スタッフ
監督
ポン・ジュノ
音楽
チョン・ジェイル
脚本
ポン・ジュノ
ハン・ジヌォン
製作
クァク・シネ
ムン・ヤングォン
チャン・ヨンファン
映画『パラサイト半地下の家族』受賞歴
第92回 アカデミー賞(2020年)
- 作品賞 (受賞)
- 監督賞ポン・ジュノ(受賞)
- 脚本賞ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン(受賞)
- 国際長編映画賞(受賞)
- 美術賞(ノミネート)
- 編集賞(ノミネート)
第77回 ゴールデングローブ賞(2020年)
- 最優秀外国語映画賞(受賞)
- 最優秀監督賞 ポン・ジュノ(ノミネート)
- 最優秀脚本賞ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン(ノミネート)
第72回 カンヌ国際映画祭(2019年)
- コンペティション部門 パルムドール ポン・ジュノ(受賞)
ポン・ジュノ監督の作品
- 2000年『ほえる犬は噛まない』
- 2003年『殺人の追憶』
- 2006年『グエムル 漢江の怪物』
- 2006年『母なる証明』
- 2013年『スノーピアサー』
- 2014年『海にかかる霧』
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映画『パラサイト 半地下の家族』キャスト
- キム・ギテク(ソン・ガンホ):半地下に暮らす失業中一家の主で運転手になる
- キム・ギウ(チェ・ウシク ):キム家の長男、浪人中で学歴がない
- キム・ギジョン(パク・ソダム): キム家の長女、美大を目指している
- チュンスク(チャン・ヘジン):ギテクの妻で元ハンマー投げのメダリスト
- パク・ドンイク(イ・ソンギュン):豪邸に暮らすIT企業社長
- ヨンギョ(チョ・ヨジョン):ドンイクの妻。美人だが、能天気で家事が苦手
- パク・ダヘ(チョン・ジソ):ドンイクの娘。高校2年生で、受験勉強中で家庭教師と恋愛中
- パク・ダソン(チョン・ヒョンジュン):ドンイクの幼い息子
- ムングァン(イ・ジョンウン):パク家と、パク一家が住む前からの家政婦
- グンセ(パク・ミョンフン): ムングァンの夫。
- ミニョク(パク・ソジュン)ギウの友人で名門大学に通うダヘの元家庭教師
映画『パラサイト半地下の家族』ネタバレあらすじや見た感想!アカデミー賞作品賞受賞まとめ
この記事では、ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト半地下の家族』がアカデミー賞作品賞を受賞したことを受けて、早速映画を見に行きネタバレあらすじと感想をまとめてみました。
韓国映画らしいスピーディーで息をつく暇もない怒涛の展開で、オリジナリティに溢れる作品でした。
日本でもこの受賞を受けて、公開する映画館が増えていくのではないでしょうか。
まだ映画を見ていないと言う方は、是非映画館でご覧になって見てはいかがでしょうか?
