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映画『わたしはロランス』は、若くして数々の映画賞を受賞している天才、グザヴィエ・ドラン監督の作品です。女性になりたい男性のロランスと、そんな彼を支える恋人のフレッドという女性の、愛のかたちを描きます。
「ふつう」ってなんだろう?「愛」ってなんだろう?そんなことを考えさせてくれる作品です。
もくじ
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映画『わたしはロランス』の映画情報
映画『わたしはロランス』あらすじ
ロランスは、小説家であり、国語の教師もしています。
ロランスにはフレッドという恋人がいて、幸せな毎日を送っています。
しかし、ロランスにはずっと心の内に秘めていた悩みがあり、そのことはフレッドさえ知りません。
ロランスはいつかフレッドに打ち明けなければと思っているのですが、そんなに簡単に言える内容ではなく、ずっとためらいつづけてきたのです。
ところが、ついにロランスは、フレッドに打ち明けることを決心します。
車のなかで、真剣な顔をしたロランスはこう言います。
「ぼくは女になりたい」
フレッドは、ロランスの衝撃的な告白にショックをうけます。
「女になりたい」というロランスに対する嫌悪感からではなく、女である自分を愛してくれていたのは嘘だったのではないかという不安と、自分が愛してきたロランスはロランス自身が愛していないものだったのかという悲しみによるショックでした。
フレッドはまっすぐで情熱的な性格なので、一度ロランスを非難したあとは、ロランスを支えていくことを決意します。
ロランスのような人は、世間からみたら「ふつう」ではないため、自分だけでもロランスの味方になってあげなくてはと思ったのです。
そこでフレッドは、ロランスがなりたい姿になれるように協力します。
まだ手術はしないというロランスに、フレッドはメイクをしたり服装を変えることを提案します。
フレッドに真実を打ち明けることができたロランスは、これからは堂々と、なりたい自分になることを決めます。
生まれ変わったロランスは、職場の学校に新しい姿でむかいます。
ハイヒールにワンピース、顔にはしっかりとメイクをして、晴れやかな表情でロランスは学校に足を踏み入れます。
驚いた顔でロランスをみつめる生徒たちを尻目に、ロランスは意気揚々と廊下を駆け抜けます。
同僚も驚いて尋ねてきますが、ロランスは「革命ですよ」と言ってほほえみます。
ロランスが授業をしに教室に入ると、生徒たちは黙ったまま動きません。
重い沈黙が流れ、ロランスも生徒の前で黙ったまま立っていますが、一人の生徒が沈黙を破り、授業の内容に関する質問をします。
こうして、ロランスはなにごともなく仕事をつづけることができました。
しかしながら、ロランスの毎日は困難だらけです。
どうしても気味の悪いものでも見るかのような目で見てくる人はいますし、そうでなくてもじろじろと見られます。
ロランスの母親に認めてもらうのも難しいです。
また、受け入れてくれたと思っていた学校のほうも、やがてやめさせられます。
フレッドはというと、もちろん協力的ではあるのですが、男としてのロランスが恋しかったり、将来のことを考えると不安になってしまったりして、徐々に歯車がずれはじめます。
ロランスとフレッドがふたりでレストランに行ったときには、好奇心旺盛な隣の席のおばさんが、ロランスにぶしつけな質問をしてきます。
ロランスは苦笑いをして受け流そうとするのですが、さまざまな気苦労が積もって爆発したフレッドは、おばさんを大声で罵り、テーブルのうえをめちゃくちゃにしてしまいます。
フレッドは純粋でまっすぐなだけに、いやなことを言われてもおとなしくしているロランスに苛立ってしまうのです。
そして、フレッドとロランスは別れることになります。
まだお互いを愛しているのですが、「ふつう」ではない愛にこれ以上苦しみたくないのです。
それから数年が経ち、フレッドは結婚して子どももできます。
ロランスのほうも別の女性と婚約していたのですが、フレッドのことを愛しているのは変わりません。
そこで、ときどきフレッドの家の前に車を止めて、こっそりフレッドを見守っています。
ある日、家にフレッドしかいないとき、ロランスはフレッドに会いにいきます。
フレッドもロランスのことをまだ愛していたので、ふたりは駆け落ちすることにします。
そのまま幸せになれるかと思いきや、駆け落ちした先で、ふたりはまた口論になり、衝撃の事実も明らかになります。
やはりいっしょにはいられないと悟ったふたりは、別々の道を進むことにします。
そして、心の奥底にお互いがいながらも、ふたりの人生が再び交わることはないのです。
映画『わたしはロランス』キャスト・出演者
- ロランス:メルヴィル・プポー
フランスの俳優で、音楽活動もしています。9歳のころから演技をしていて、映画『愛人/ラマン』や『ぼくを葬る』など、多くのフランス映画に出演しています。
- フレッド:スザンヌ・クレマン
- ジュリエンヌ:ナタリー・バイ
映画『わたしはロランス』スタッフ
監督・脚本
グザヴィエ・ドラン
製作
シャルル・ジリベール
ナタナエル・カルミッツ
リズ・ラフォンティーヌ
製作総指揮
グザヴィエ・ドラン
ガス・ヴァン・サント
撮影
イヴ・ベランジェ
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